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  • 2023/02/10 22:25

    カッティングボード専売店「Daughter & Son」では、
    前回製作のカッティングボードから 一枚一枚にシリアルナンバーの刻印を行っています。
    (通常のメーカーではナンバー管理など当たり前ですね)
    うちのカッティングボードはもともと一枚一枚が異なる形でオリジナルなので、それ自体が個別性を持っているのですが、
    あえて手間をかけて刻印を行った理由は、
    木を扱い、木工品を作り供給しているサイドの責任としてより一層の情報発信を行っていこうという取り組みの一端です。

    昨年地域材を循環させていく事業の企画会社の方をご紹介いただきお話を伺う機会がありました。
    未来に向けたカーボンニュートラルの動きに合わせ、
    国外のメーカーでは各商品の製造の全過程で排出される二酸化炭素の量を把握し商品に印字するなどして発信している例もあり、
    実際に情報が印字されているその方が履いていた靴を見せていただきました。

    輸送の過程におけるCO2の排出は一部分でありますが、
    木材についてまず考えられることは、この輸送の過程です。
    国内にたくさん木材資源がある日本が、わざわざ遠い外国から多大なコスト、CO2を排出しながら木材を仕入れることは
    単純に考えるととてもナンセンスです。(もちろん木の材質はそれぞれ異なるため意味はあるのですが。)

    そのため今後はより一層国産、地域材の活用が求められると思いますが、
    そこで住宅や家具、木工品などの製造を行う地域の中小零細企業も、
    「木っていいよね」という抽象、感情論だけでなく、定量的なデータや数字も合わせて適宜発信していくことで
    より広範で持続的な支持を得ることができるのではないかと思います。

    家具や木工品にも様々な情報を載せていくことで、
    木は炭素の塊、つまりCO2を固定化しているともいえるので、
    小さなカーボンクレジットのゲームのような感覚で、消費選択の際に「同じ商品ならカーボン固定量の多いこちらにしよう」
    みたいな感覚が生まれても面白いし、
    国内、地域内で伐採、製材、製造され、輸送時にも極力CO2の排出が抑制された木材を使った家具、木工品を選び、所有し長く使っていくことは
    微力かもしれませんがカーボンニュートラル社会の実現に貢献できます。
    (もちろん植林などのより積極的な活動も一層必要ではあります)
    今回のカッティングボードへのシリアルナンバーの刻印は中身はまだ何もなく「まずは番号だけ」
    なんですがこうした今後進めていきたい取り組みへの取っ掛かりとして始めました。

    これでも20代のころは中国の砂漠で植林活動をしたり、
    ごみ問題が深刻化しつつあった北京で使用済み電池の回収運動をしたり環境問題にはそこそこ関心をもっていた自分なので、
    今後仕事を通じてカーボンニュートラル社会の実現という世の中の動きに少しでも尽力できればと思います。
    企画会社との新たな取り組みにも期待しています。